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東京近郊にこんなすてきな山がある
ガスが急速に流れはじめ天気は回復、
大山の背から朝日が指す
その美しさ、
これがいつもの丹沢かと思うほどの
景観です
秋晴れの晴天
周辺の山々や富士山が朝日に赤く染まって
絶好の展望日和
登るにつれて積雪が見られるようになり、
山頂ではいちめん春の雪
山頂部ではいちめん霧氷の花が咲き、
すっくとせり上がった富士山を展望
山はいつも美しいわけではない。山にも旬があり、普段は何気ない装いでも、旬には季節の特別な味わいがある。
そのタイミングを見計らって山に行けばきっと心に残る山行になるだろう。
新緑が萌える春から、落ち葉が山道を埋め尽くす冬の季節まで、春夏秋冬、旬の山は限りない美しさで登山者を迎えてくれる。
山頂部の稜線上では
ブナ林の衰退など壊滅的な危機に瀕している丹沢だが、稜線から少し下った北側斜面ではまだ健在なブナの巨木が多く残る。丹沢もまだまだ捨がたい百名山に相応しい神奈川県(秦野)の名山だ。
丹沢・四季燦燦
春:ブナ林の落葉の中からバイケイソウが芽吹き始めると丹沢の春が始まる。そして、
5月中頃から6月初めにかけて、丹沢はつつじの花が咲き競い、一年でいちばん美しい時を迎える。
赤いミツバツツジと白いゴヨウツツジが織り成すブナ林の美しさは品格ある一級の山岳景観だ。
夏:夏本番を迎えると登山客はいっせいにアルプスをめざすようになる。その結果、
丹沢を訪れる登山客はめっきり少なくなり、この頃は
静かな丹沢を独り占めできるときでもある。
黄色いマルハダケブキの花がブナの林に彩を添える。
秋:渓谷沿いの雑木林が色づきはじめると山の斜面の彩りが一段と濃くなって、真赤なドウタンツツジの紅葉が目を引く。
北アルプスのような豪華賢覧の紅葉とはいかないが丹沢の秋もそれほど捨てたものではない。
冬:ふだん丹沢の冬景色は無彩色で味気ない。だが雪が降った後だけは景色が一変する。ブナの枝先いちめんに付いた霧氷越に富士山を展望する。
他の山では見られない丹沢ならではの絶景です。
<深田久弥・日本百名山>より
丹沢の最高峰は蛭ケ岳で、一名薬師岳とも呼ばれた。
私がその頂上に立ったのは随分前のことだが、いかにも深山の感じがしたのは、そこから見渡すあたりが鬱蒼たる森林のためだったろう。
今はどうか。蛭け岳から西に、ズングリした桧洞丸がある。
丹沢で第二の高峰であるが、樹木で覆われていて道がなく、怪峰とか秘峰とか呼ばれたものだが、
今はどうか。
私が百名山の一つに丹沢山(丹沢山というのは山塊中の一峰である)を取り上げたのは、
個々の峰ではなく、全体としての立派さからである。
丹沢山塊という名称は、多分、高頭式の「日本山岳志」から始まったのだろうと思うが、ただ表尾根を歩くだけでなく、
その奥深く入れば、
山の規模は大きく複雑で、容易にその全貌をつかめない。