静かな家並みが続く路がいい
鎌倉駅の裏口を出て横須賀線のレール沿いに扇が谷に向かう。その行き止まりにある海蔵寺だが、途中の落ち着きある静かな家並みが続く路がいい。 家の塀からのぞく青々とした竹がすがすがしい。
モミジの木もあり秋には真っ赤な紅葉が路をつつむ。
春の花の中でも海棠(カイドウ)は最も美しい花のひとつ。
鎌倉の海棠は扇が谷にある海蔵寺、長谷にある光則寺、鎌倉駅に近い妙本寺が見所だが、この頃の海蔵寺には海棠のほかにも椿、石楠花、山吹などの花々が咲き競う。
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境内は春の華ぎで溢れる
海蔵寺から英勝寺へと続く静かな散歩道。途中、英勝寺のすぐ手前に『十六夜日記』の作者、阿仏尼の墓と伝わる石塔が道端に祭られている。
それを見送ると英勝寺の門前、鎌倉に残る唯一の尼寺だ。
尼寺らしい和やかな雰囲気は、訪れる人々の心を穏やかにしてくれる。奥まった一段高い場所にしだれ桜の古木があり、淡い色で派手さこそないが境内は春の華ぎで溢れる。
どこの寺にも負けない貫禄と華やかさ
鎌倉有数の「花の寺」光則寺の境内は、春の桜、海棠に始まる。そのあとは初夏の紫陽花、花菖蒲と続き一年を通じて花を楽しめる。
日蓮の一番弟子・日朗が宿屋光則の屋敷の土牢に幽閉されたことで知られる光則寺。その土牢は今も光則寺の裏山に残っている。
寺の歴史、縁起に相応しい樹齢200年の海棠が咲く見事さは、どこの寺にも負けない貫禄と華やかさがある。必見のカイドウだろう。
身延山から移された枝垂桜
若宮大路からほんの少し外れたところに本覚寺がある。
佐渡に流された日蓮が許されて戻って来た時に滞在した故地。後に日蓮の遺骨を身延山から分骨し、以来このお寺は東身延と呼ばれ栄えた。
ここの枝垂桜は
その縁で身延山から移されたものだそうだ。姿がよく立派で満開時の華やかさは枝垂れならではの美しさだ。
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